乳がんは、日本の女性に多くみられるがんのひとつです。早期に見つかった場合は治療後の経過も比較的良好ですが、進行すると治療の選択肢や見通しも大きく変わります。だからこそ、定期的な検診などによる早期発見が大切です。
では、乳がんのリスクを減らすために、日頃からどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
乳がんとは?
乳がんは、乳房の組織にある細胞が異常に増殖することで生じる悪性腫瘍です。女性に多くみられるがんのひとつで、発生する場所によっていくつかのタイプに分けられます。乳房には、乳管や小葉などの組織があり、がんがどこに発生したか、また周囲にどのように広がっているかによって分類されます。¹
乳がんは、がん細胞ができた場所にとどまっているか、周りまで広がっているかによって種類が分かれます。乳管や小葉の中にとどまっているものを「非浸潤性乳がん」、そこから周りの組織まで広がったものを「浸潤性乳がん」といいます。非浸潤性乳がんは、比較的早い段階で見つかった乳がんです。
男性の乳がんは珍しいものの、男性にも発症することがあります。男性にも乳腺があるため、その組織にがんができることがあるのです。男性の乳がんでは、周囲の組織まで広がる「浸潤性乳がん」が多くみられます。
乳がんの原因は?リスクを高める要因と予防について

乳がんのリスクには、遺伝や家族歴のほか、飲酒、閉経後の肥満、運動不足など、さまざまな要因が関係しています。また、初経が早い、閉経が遅いといった女性ホルモンに関わる要因や、閉経後のホルモン補充療法も、乳がんのリスクを高めることがわかっています。²
海外の研究では、睡眠不足と乳がんのリスクとの関連も調べられています。睡眠不足によってメラトニンの分泌が減少し、それが乳がん細胞の増殖に関わる可能性があると考えられています。睡眠に関わるホルモンであるメラトニンは、乳がんを含むがん細胞の増殖との関係について研究が進められています。メラトニンの分泌を整えるためには、規則正しい睡眠習慣を心がけることが大切です。また、夜遅い時間のカフェインやアルコール、ニコチンを控え、寝る前は入浴などでリラックスして過ごすのもよいでしょう。³
乳がんのリスクを減らすためには、禁煙や節酒、適度な運動、健康的な体重の維持など、日頃の生活習慣を整えることがポイントです。
また、乳がんの家族歴がある場合など、発症リスクが気になる方は、医療機関で検査や予防について相談してみましょう。
乳がんは早期発見が大切!検診の方法とは?
乳がんの早期発見のためには、普段から自分の乳房の状態を知っておくことが大切です。入浴や着替えの際などに乳房を見たり触れたりして、しこりや皮膚のくぼみ、乳頭からの分泌物など、いつもと違う変化がないか意識してみましょう。気になる変化があれば、次の検診を待たずに医療機関を受診してください。また、日本では40歳以上の女性に、2年に1回マンモグラフィによる乳がん検診を受けることが推奨されています。
乳がんはどのように診断される?
乳がんは、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。しこりや血の混じった乳頭からの分泌物、乳房の皮膚の変化などがみられた場合は、医療機関を受診しましょう。乳がんが疑われる場合は、マンモグラフィや超音波検査などを行い、必要に応じて組織検査を行って診断します。
乳がんは治る?乳がんの主な治療法
乳がんは、早期に発見し適切な治療を受けることで、良好な経過が期待できるがんです。治療法は、がんの進行度やタイプ、体の状態などによって異なります。ここからは、乳がんの主な治療法を見ていきましょう。⁴

手術
乳がんの治療では、手術が主な治療法のひとつです。早期の乳がんでは、乳房をできるだけ残す「乳房温存手術」を行うことがあります。一方、がんの大きさや広がりによっては、乳房をすべて切除する「乳房全切除術」が必要になる場合もあります。
薬物療法と放射線治療
薬物療法には、ホルモン療法や抗がん剤治療、分子標的治療などがあり、乳がんの種類や進行度に応じて治療法が選ばれます。放射線治療は、主に手術後の再発リスクを抑えるために行われます。
副作用
乳がんの治療では、治療の内容によってさまざまな副作用が現れることがあります。手術後にはリンパ浮腫が起こることがあり、薬物療法では吐き気や白血球の減少などがみられる場合があります。また、治療の影響で更年期のような症状が現れることもあります。
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