眠っている間に歩き回ったり、突然叫び声を上げたりするなど、自分では気づかない行動が現れることがあります。こうした睡眠中の異常な行動や体験は、「睡眠時随伴症(パラソムニア)」と呼ばれます。
症状は、寝言などの身近なものから、夢遊病、金縛り、夜驚症など、治療が必要なものまでさまざまです。¹ ²
睡眠時随伴症は、眠りに入るときや目覚めるとき、またレム睡眠とノンレム睡眠が切り替わる際に起こるとされています。思春期に多く見られますが、幅広い年代で起こる可能性があります。
睡眠時随伴症は、大きく「ノンレム睡眠に関連するもの」「レム睡眠に関連するもの」「その他」の3つに分類されます。
睡眠時随伴症の種類① ― ノンレム睡眠(NREM睡眠)

ノンレム睡眠は、成人の睡眠全体の75〜80%を占め、浅い眠りから深い眠りまでの3段階に分けられます。ノンレム睡眠に関連する睡眠時随伴症では、無意識のうちに同じ行動を繰り返すことがあり、そのときのことはほとんど記憶に残りません。
1. 錯乱性覚醒
錯乱性覚醒とは、眠りから目覚める途中や目覚めた直後に、意識が混乱したり、混乱した行動を取ったりする状態です。夢遊病に比べて行動範囲は狭いものの、時間や場所が分からなくなる、思考力が低下する、記憶に障害が生じるなどの症状が見られ、重症化すると深刻な状態に至ることがあります。
2. 夢遊病
夢遊病とは、脳が眠っている一方で、身体だけが目覚めて活動する状態を指します。完全に目覚めているわけではないため、普段している行動を無意識に行うことがあります。周囲の状況を十分に認識できないため、バランスを崩したり、物にぶつかったりして、けがをするおそれがあります。
3. 夜驚症
夜驚症とは、睡眠中に突然強い恐怖や不安を感じ、目を覚ます睡眠障害です。主に子どもに多く見られますが、飲酒した成人に現れることもあります。突然起き上がって泣いたり、叫び声や意味のない声を上げたりするのが主な症状です。症状が強い場合は、40分ほど続くこともあります。
睡眠時随伴症の種類② ― レム睡眠(REM睡眠)

レム睡眠は、「急速眼球運動睡眠」とも呼ばれます。脳の活動が活発になり、覚醒時に近い状態になる睡眠段階です。レム睡眠中には、一部の筋肉が無意識にぴくついたり、呼吸が速くなったりすることがあります。⁷
1. レム睡眠行動障害(RBD)
レム睡眠行動障害とは、レム睡眠中に通常起こる筋肉の弛緩がうまく働かず、夢の内容に合わせて身体を動かしてしまう睡眠障害です。手足を振り回す、蹴る、叫ぶ、暴言を発するなどの症状が見られます。また、パーキンソン病の患者に多く見られることでも知られています。
2. 睡眠麻痺
睡眠麻痺とは、眠りに入るときや目覚めたときに、意識はあるものの身体を動かせなくなる状態です。一般に「金縛り」とも呼ばれます。身体に大きな害を及ぼすものではありませんが、幻覚が見えたり、息苦しさを感じたりすることがあります。また、身体を動かせないことから、不安や恐怖を感じる場合もあります。
3. 悪夢障害
悪夢障害とは、不快な夢を鮮明に体験し、目覚めたあともその内容をはっきり覚えている状態です。悪夢を繰り返すことで睡眠が妨げられ、日常生活に支障をきたすこともあります。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のある人に多く見られます。
睡眠時随伴症の種類③ ― その他の睡眠時随伴症

1. 頭内爆発音症候群 (Exploding Head Syndrome)
頭内爆発音症候群とは、眠りに入るときなどに、突然大きな音が鳴ったように感じる睡眠障害です。頭の中で何かが爆発したような感覚を伴うこともあります。比較的まれな症状ですが、動悸や強い恐怖、不安が続く場合があります。また、一晩に何度も繰り返し起こることもあります。
2. 睡眠に関連する幻覚
眠りに入るときや目覚めるときに、実際にはないものが見えたり、音が聞こえたりすることがあります。非常に鮮明なため、現実と混同することもあります。また、睡眠麻痺(金縛り)を伴う場合もあります。
3. 夜尿症
夜尿症とは、睡眠中に無意識に排尿してしまう症状です。幼い子どもにはよく見られ、5歳未満であれば通常は病気とはみなされません。5歳を過ぎても繰り返す場合や、成人になってから続く場合は、医療機関への相談が勧められます。
ここまで、睡眠時随伴症を種類別に紹介しました。原因や症状はそれぞれ異なります。症状が続き、眠れないなど日常生活に支障がある場合は、専門家に相談しましょう。⁹
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