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夢だとわかっている夢?不思議な「自覚夢」の世界

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自覚夢(ルシッドドリーム)という言葉を聞いたことはありますか?

自覚夢とは、夢を見ている最中に「これは夢だ」と気づいている状態で見る夢のことです。

私たちは普段、夢を見ている間はそれが夢だと認識できません。目が覚めてから「あれは夢だったんだ」と気づくことがほとんどです。また、夢の途中で目を覚ました場合でも、夢を見ていたこと自体をうまく思い出せないことがあります。自覚夢では夢の中にいながら自分が夢を見ていることを認識できるため、不思議で特別な体験として注目されています。

自覚夢はいつ見る?睡眠麻痺との関係を解説

自覚夢は、睡眠麻痺(いわゆる金縛り)の際に見られることがあります。睡眠麻痺とは、REM睡眠から覚醒へ移る途中で、意識だけが先に目覚め、体がまだ眠った状態にある現象です。睡眠と覚醒が重なるこの状態では、「これは夢かもしれない」と気づいたり、自分が夢を見ていることを認識したりすることがあります。こうした体験が自覚夢につながると考えられています。

自覚夢はいつから研究されている?自覚夢の歴史

海外では古くから自覚夢への関心が高く、特に映画『インセプション』(2010年)の公開をきっかけに、その存在が広く知られるようになりました。しかし、自覚夢の研究は映画の登場以前から行われていました。

「Lucid Dream(自覚夢)」という言葉を初めて用いたのは、オランダの精神科医であるフレデリック・ファン・イーデンです。彼は睡眠研究がまだ発展途上だった時代に、論文『A Study of Dreams』を発表し、夢の種類を分類しました。この論文の中で彼は、自覚夢の中で自由に行動できるのは精神機能が再統合されるためだと主張しています。ただし後に、この研究は科学的な検証よりも自身の体験に基づく部分が大きいとして批判を受けることになりました。

自覚夢は実在する?科学的証拠から見る自覚夢

ルシッドドリームを見ている様子

その後、1981年に睡眠研究者の スティーブン・ラバージ が、自覚夢の存在を科学的に実証しました。彼は被験者に対し、自覚夢を見ていると気づいたら特定のパターンで眼球を動かすよう指示しました。すると実際に睡眠中の眼球運動が観測され、夢の中で自分が夢を見ていることを認識できる「自覚夢」の存在が裏付けられたのです。

その後の研究により、自覚夢は主にREM睡眠中に起こることがわかっています。さらに、自覚夢中には自律神経系の活動が活発になり、アルファ波が増加することも確認されました。これにより、自覚夢が発生するタイミングをより正確に捉えられるようになったのです。

自覚夢を見やすい人とは?その特徴を解説

ディアドラ・バレット の1992年の研究によると、私たちが記憶している夢のうち、自覚夢が占める割合はわずか0.3〜0.7%ほどとされています。一方で、ダニエル・エルラッハー らの研究では、アスリートは一般の人よりも自覚夢を経験する頻度が14.5%高いことが報告されています。

自覚夢を頻繁に見る人は決して多くありません。しかし、一生のうちに一度は自覚夢を経験する人は約半数にのぼるともいわれており、決して珍しすぎる現象ではないようです。また、自覚夢は男性よりも女性に多く見られ、年齢を重ねるにつれて経験する頻度は減少する傾向があることもわかっています。

自覚夢を見てみたい!誘導するための方法とは

自覚夢は自然に起こることもありますが、工夫次第で意図的に見られる可能性もあるとされています。

2012年に行われた研究では、自覚夢を誘導する方法は大きく3つに分類されています。それが「認知的な方法」「外部から刺激を与える方法」「その他の方法」です。

認知的な方法は、夢を見ている最中に「これは夢ではないか」と気づくことを目指すものです。普段から現実かどうかを確認する習慣をつけたり、眠りにつく際に意識を保ったりすることで、自覚夢に入りやすくなると考えられています。また、光や音などの刺激を与え、その刺激を夢の中で認識させることで自覚夢を誘導する方法もあります。さらに、薬を使って睡眠と覚醒のバランスを調整し、自覚夢を引き起こそうとする研究も行われています。

自覚夢は安全?自覚夢のリスクと注意点

自覚夢のリスクを表したイラスト

自覚夢は、夢を見ている途中で意識がはっきりするため、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。こうした状態が続くと、睡眠の質が下がるだけでなく、寝不足につながることもあります。その結果、日中に集中しづらくなったり、疲れを感じやすくなったりするかもしれません。

また、自覚夢を頻繁に見ようとすることで、夢と現実の区別がつきにくくなる場合もあるといわれています。もともと幻覚や幻聴などの症状がある方は、特に注意が必要です。

今回は、自覚夢の歴史や仕組み、見やすい人の特徴、そして誘導方法や注意点についてご紹介しました。

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参照
      Van Eeden F. A study of dreams. Proceedings of the Society forPsychical Research 1913;26:431-461
      La Berge SP, Nagel LE, Dement WC, Zarcone VP Jr. Lucid dreaming verified by volitional communication during REM sleep. Percept Mot Skills. 1981 Jun;52(3):727-32. doi: 10.2466/pms.1981.52.3.727. PMID: 24171230.
      La Berge SP, Nagel LE, Dement WC, Zarcone VP Jr. Lucid dreaming verified by volitional communication during REM sleep. Percept Mot Skills 1981;52:727-732
      Erlacher D, Stumbrys T, Schredl M. Frequency of lucid dreams andlucid dream practice in German athletes. Imagin Cogn Pers2011;31:237-246.
      Stumbrys T, Erlacher D, Schadlich M, Schredl M. Induction of lucid dreams: a systematic review of evidence. Conscious Cogn 2012; 21:1456-1475.
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