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夢をよく見るのはなぜ?その仕組みと理由

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夢の研究の歴史

夢の研究は、1893年に心理学者の Mary Whiton Calkins によって本格的に始められました。Calkinsは夢に関する統計的な分析を行い、夢はその内容によって分類できると提唱しました。 その後、1966年に Calvin S. Hall と Robert Van de Castle が発表した研究では、夢の中では視覚的なイメージが最も多く現れ、聴覚や触覚などのほかの感覚よりも頻繁に体験されることが報告されています。¹

夢の解釈で有名なフロイトは、『夢には自分でも気づいていない本音や感情が表れる』と考えました。

例えば、日中に感じた不安や願望、心の中に残っている出来事が夢として現れることがあるという考え方です。フロイトは、夢を読み解くことで自分の心の状態をより深く理解できると考えました。

夢とは?

そもそも、夢とはどのようなものなのでしょうか。 日本睡眠学会などでは、夢は「眠っている間に体験する、物語のように展開していく心の中のイメージ」と説明されています。私たちは眠っている間、まるで映画を見ているかのようにさまざまな場面や出来事を体験します。これが「夢」です。²

夢を見る科学的な理由

眠っている間も、私たちの脳は活動を続けています。睡眠中に記憶や感情が整理される過程で、夢が生まれると考えられています。

夢の多くは短いストーリーのようなもので、目覚めた直後は覚えていても、しばらくすると忘れてしまいます。『夢を見た気はするけれど内容を思い出せない』という経験があるのはそのためです。中には、夢を見ている最中に「これは夢だ」と気づくことがあります。こうした夢は「明晰夢(めいせきむ)」と呼ばれ、一部の人では比較的頻繁に経験されることが知られています。

夢の見方には個人差がありますが、多くの場合、目覚める頃には夢の内容を忘れてしまいます。

私たちはなぜ夢を見るの?

私たちが夢を見る理由については、現在もさまざまな研究が続けられています。まだはっきりと解明されてはいませんが、夢を見る理由として有力な説はいくつか提唱されています。

いろいろな夢を見ている様子

  1. 記憶を整理するため:その日に経験した出来事や記憶を整理する過程で生まれると考えられ
  2. 脳内の情報を整理するため:脳内の不要な情報を整理する「脳の大掃除」のような役割を果たしているという考え方もあります。睡眠中に情報を整理し、不要なものを取り除いているという説です。
  3. 特別な意味はないという説:夢は脳が活動する過程で生まれる副産物だとする説です。

人によって夢を見る頻度が違うのはなぜ?

夢は主に「レム睡眠(REM睡眠)」中に見られると考えられています。レム睡眠は、睡眠中に目が素早く動く「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)」が見られる状態です。 実際に、「自分は夢を見ない」と感じている人でも、レム睡眠の直後に目を覚ましてもらうと、夢の内容を思い出せることが少なくありません。そのため、夢を見ていないのではなく、目覚めたときには忘れてしまっている場合が多いと考えられています。

悪夢に悩まされず、良い夢を見ている様子

夢は、目覚めた直後には鮮明に覚えていても、1〜2時間もすると内容があいまいになってしまうことがよくあります。一方で、夢を記録したり思い出したりする習慣を続けることで、夢を覚えている力が高まる可能性もあるとされています。夢をメモすることで、内容を思い出しやすくなるかもしれません。

一般的に、夢を見ること自体は健康的な睡眠の一部と考えられています。しかし、悪夢が頻繁に続く場合は注意が必要です。 悪夢によって途中で目が覚めたり、眠りが浅くなったりすると、睡眠の質が低下することがあります。こうした状態が続くと睡眠不足につながり、場合によっては不眠症などの睡眠トラブルを引き起こすこともあります。

夢をよく見る人の特徴

夢をよく見る人、夢をよく覚えている人の特徴

急に夢をよく見るようになったり、夢をはっきり覚えていたりするのは、睡眠の変化が関係しているかもしれません。レム睡眠中に目覚めると夢を思い出しやすくなります。また、睡眠不足のときはレム睡眠が増えるため、『最近よく夢を見る』と感じることがあります。さらに、ストレスや不安が強い時期は夢を見る頻度が増える傾向があります。

夢をよく見る原因とは?

飲酒

お酒を飲んだ翌日に、いつもより早く目が覚めた経験はありませんか?アルコールは脳に影響を与え、レム睡眠を一時的に抑制するとされています。そのため、アルコールの影響が弱まるとレム睡眠が増え、普段よりも鮮明で印象に残る夢を見ることがあります。

薬の副作用

普段使われる医薬品の中にも、副作用として夢に影響を与えるものがあります。体質や薬の種類によっては、夢を見る頻度が増えたり、悪夢を見やすくなったりすることがあります。代表的な例としては、一部の抗うつ薬や降圧薬、パーキンソン病の治療薬などが挙げられます。気になる変化がある場合は、自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

ストレス

強いストレスやショックな出来事は、夢の内容に影響を与えることがあります。実際に、夢は記憶や感情を整理する過程だと考える研究者もおり、ストレスやトラウマに関する体験が夢の中で繰り返し現れることがあります。

そのため、普段よりストレスを抱えている人や、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を経験している人は、鮮明な夢や悪夢を見やすい傾向があります。

また、妊娠中の人はホルモンバランスの変化によって夢を見る頻度が増えることが知られています。うつ病などの精神的な不調を抱えている場合も、睡眠の質の変化に伴い、夢を見やすくなることがあります。

夢を見ながら眠っている様子

夢を見すぎて疲れる…そんなときは睡眠習慣をチェック

夢や悪夢が続くと、睡眠の質が低下し、日中の疲労感や集中力の低下につながることがあります。こうした状態が長く続く場合は、放置せずに睡眠習慣を見直すことが大切です。米国国立衛生研究所(NIH)でも、良質な睡眠のためには日頃の生活習慣を整えることが重要だとしています。ここからは、睡眠の質を高めるためにおすすめの7つの習慣をご紹介します。

  1. 毎日できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。
  2. 1日20〜30分程度の適度な運動を取り入れましょう。
  3. カフェインやニコチンの摂取は日中にとどめ、就寝前の飲酒は控えましょう。
  4. 就寝前は、ぬるめのお風呂に入ったり読書をしたりするなど、リラックスできる時間を作りましょう。
  5. 睡眠中は明るい光や騒音を避け、寝室でテレビを見たりパソコンやスマートフォンを使用したりする習慣は控えましょう。
  6. 眠れないままベッドで過ごし続けるのは避けましょう。眠気が来るまでは、読書や音楽鑑賞などをして過ごすのがおすすめです。
  7. 睡眠に関する悩みが続く場合や、日中に強い眠気や疲労を感じる場合は、医療機関への相談を検討しましょう。睡眠障害は適切な治療によって改善が期待できます。

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