「突然、体の力が抜ける“脱力発作”を経験したことはありませんか? もし危険な場所で脱力発作が起きた場合、思わぬ事故やケガにつながる可能性もあります。 今回は、脱力発作を引き起こすことがある『ナルコレプシー』について解説します。」
ナルコレプシーとは?
ナルコレプシーは、睡眠障害のひとつです。しっかり睡眠をとっているはずなのに、日中に強い眠気や疲労感に襲われ、突然眠ってしまうことがあります。また、人によっては脱力発作が起こることもあります。主に思春期頃に症状が現れることが多いですが、大人になってから気づくケースも少なくありません。授業中や仕事中など、“眠ってはいけない場面”で強い眠気が現れることで、日常生活に大きな影響を与えることもあるため、早めに気づき、適切に対処することが大切です。¹
ナルコレプシーの代表的な症状、“日中の強い眠気”
日中の強い眠気とは、夜に十分な睡眠をとっているにもかかわらず、昼間に強い眠気に襲われる症状のことです。ただ突然眠り込んでしまい、起きられなくなる場合、ナルコレプシーの可能性があります。 たとえば、食事中や集中しなければならない作業中に、急に眠ってしまうケースなどが代表的です。こうした症状は『睡眠発作』と呼ばれることもあり、重度の場合は1時間以上目覚められないこともあります。²
突然、体の力が抜ける“脱力発作”

脱力発作とは、突然体の力が抜けてしまい、うまく立っていられなくなる状態を指します。ナルコレプシー患者の約60%が、この脱力発作を経験すると言われています。 最初は腕や脚だけに力が入りにくくなる程度でも、症状が強い場合には、そのまま全身の力が抜けてしまうこともあります。外出先や危険な場所で発作が起きると、転倒や事故につながる可能性もあるため注意が必要です。
何度起こしても目覚めない“睡眠麻痺”
眠りについた直後や、脳は目覚めているのに体だけが動かせない状態を『睡眠麻痺』といいます。一般的に“金縛り”と呼ばれている現象も、この症状のひとつです。症状が強い場合には、息苦しさや恐怖を感じるような幻覚を見るケースもあるとされています。これは、脳が体を目覚めさせようとする過程で起こると考えられており、強い不安や恐怖につながることもあるため注意が必要です。³
ナルコレプシーの治療を妨げる“睡眠障害”

ナルコレプシーの治療が難しい理由のひとつに、睡眠リズムが乱れやすいことがあります。夜中に何度も目が覚めたり、夢を頻繁に見たりするほか、周期性四肢運動障害のような症状を伴うことも。また、睡眠中に体を動かしてしまう“夢遊病”のような症状が現れるケースもあります。こうした睡眠障害が重なることで、ナルコレプシーの症状がさらに悪化し、日常生活へ大きな影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。⁴
ナルコレプシーを改善するには?
ナルコレプシーの治療法については、以前ご紹介した記事でも詳しく解説しています。
今回のコラムでは簡単にお伝えすると、まずは睡眠検査を受け、ナルコレプシーかどうかを正しく診断することが大切です。そのうえで、睡眠時間や生活リズムを一定に保ちながら、少しずつ睡眠習慣を整えていきます。また、十分に睡眠をとっているにもかかわらず、強い眠気や症状が続く場合には、早めに専門医へ相談することも重要です。
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