普段、どのように眠りについていますか?
実は、私たちは眠っている間も「音」の影響を受けています。
住んでいる場所や時間帯によって周囲の音はさまざまですが、眠っている間も耳や脳が完全に働きを止めるわけではありません。そのため、ホワイトノイズや自然音、睡眠音楽などを取り入れる人も増えています。つまり、「音」は私たちの睡眠と切り離せない存在なのです。
「音」が睡眠に与える影響とは?
では、音は私たちの睡眠にどのような影響を与えるのでしょうか。
その鍵となるのが、私たちの脳で生じる「脳波」です。
リナイトでは、脳波と音の関係に着目し、AIを活用しながら睡眠音の研究・開発を行ってきました。
今回は、脳波の仕組みと、リナイトで採用している「レイヤード・モノラルビート(Layered Monaural Beats)」について、研究結果を交えながらご紹介します。
脳波 (Brainwaves)

脳波とは、ニューロン(神経細胞)の活動によって生じる微弱な電気信号のことです。脳では主に、ガンマ波(30〜100Hz)、ベータ波(12〜30Hz)、アルファ波(8〜12Hz)、シータ波(4〜8Hz)、デルタ波(0.5〜4Hz)の5種類の脳波が観測されます。
睡眠時には、主にアルファ波からデルタ波にかけての低い周波数帯の脳波が現れます。また、脳は特定のリズムの音を聞くと、そのリズムに合わせて脳波が変化することがあります。
この現象は「脳波同調(Brainwave Entrainment)」と呼ばれ、リナイトが着目している睡眠音の仕組みの1つです。
脳波同調 (Brainwave Entrainment)

先ほどご紹介した脳波同調(Brainwave Entrainment)とは、脳波が一定のリズムの刺激に合わせて変化する現象のことです。
リナイトでは、この脳波同調が睡眠とどのように関係しているのかに着目し、研究を進めてきました。これまでの研究では、デルタ波のような低い周波数帯の脳波は、深い睡眠と関連していることが報告されています。 また、脳波同調については約60年にわたり研究が行われており、睡眠との関係についてもさまざまな知見が蓄積されています。例えば、Abelnら(2014)の研究では、脳波同調を取り入れた被験者において睡眠の質の改善が報告されています。また、Srinivasanら(2021)は不眠症への応用の可能性について、Choiら(2019)は睡眠への活用について報告しています。
ただし、特定の周波数の音を流すだけで脳波が同調するわけではありません。 音の周波数やリズム、組み合わせなどが重要であり、その設計方法によって脳への伝わり方は異なります。リナイトでは、この考え方をもとにモノラルビートを採用し、睡眠時の脳波との関係を考慮した音響設計を行っています。
モノラルビート (Monaural Beats)
脳波同調に用いられる音響技術には、大きく「モノラルビート」「バイノーラルビート」「アイソクロニックトーン」の3種類があります。それぞれ音の仕組みや特徴が異なり、目的や利用シーンに応じて研究や活用が進められています。

バイノーラルビートは、左右の耳に異なる周波数の音を届けることで脳波同調を促す音響技術です。そのため、十分に活用するにはイヤホンやヘッドホンの使用が必要とされています。一方、アイソクロニックトーンは、一定の間隔で音を繰り返すことでリズムを作る音響技術です。音の刺激が比較的はっきりしていることから、利用シーンや好みによって向き・不向きがあります。
リナイトでは、睡眠中でもイヤホンを使用する必要がなく、スピーカーでも再生できる点に着目し、モノラルビートを採用しています。
レイヤードモノラルビート (Layered Monaural Beats)
さらにリナイトでは、より適したモノラルビートの設計を目指し、延世大学応用脳・認知科学研究所と共同で複数の実験・研究を行いました。その結果、複数のモノラルビートを組み合わせた「レイヤード・モノラルビート」は、一般的なモノラルビートと比較して、より良い結果が得られる可能性が示されました。

リナイトでは、睡眠に悩んだ経験も開発に活かしながら、より良い睡眠体験をお届けするため、音と睡眠の関係について研究・開発を続けています。エンジニアリングと睡眠・医療分野の知見を組み合わせ、科学的な知見に基づいた音響技術の研究・開発に取り組んでいます。
これからも、一人ひとりが安心して心地よく眠れる毎日をサポートできるよう、研究と改良を重ねていきます。
